#6メッセージ

今後のビジョンや夢

今後のビジョンや夢を尋ねると「仲間づくり」とのこと。
「若い奴らが増えてくれるといいなって思います。年配の人には刺激になるじゃないですか。
やっぱね、いろんなことを話しながらやっていけるようにしたいです。
仲間づくりのために全国各地も動いて回りたい。いろんな人と集まれるようになると楽しいかなって思うんで。」

農家を目指す方へ
自分だけが頑張るのではなく、仲間と共に切磋琢磨する

「一緒に頑張ろうじゃないですけど、楽しむ。楽しみながら、頑張っていけたらいいなって思う。
玖珠だけじゃなくってどこも、農業だけじゃなくどんな仕事も、人が足りないというのはあるんでしょうけど、若い人が多くないっていうのはちょっと寂しい。ピーマンに関わらず若い人がいろんな農業に取り組んでいってくれたら嬉しいです。
イメージ的なものもあるけど、周りが思うほど農業って大変とは思わない。大変な部分ももちろんあるけど、こうして頑張ったら稼げるというのも分かってくるんで。」

大分県農業指導士としての彼のプロフィール資料にも、仲間と共に楽しみながら向上していきたい気持ちが伝えられていた。

「農業は「常に反省」し、「探究心を持ち」、「ポジティブに楽しく」をモットーに日々励んで下さい。
地域や同じ品目を作っている仲間づくりを大事にし、自分だけが頑張るのではなく、仲間と共に切磋琢磨することを心がけてます。
農業は、初期投資をいかに抑えてスタートできるかがポイント。
また、土壌や機構などの環境は毎年変化するため、常に工夫と反省をしながらも、「楽しむ」ことの大切さを伝えていきたいです。」

(大分県農業指導士 プロフィール資料「農業を志す担い手へのメッセージ」より)

最後に

「植物を素直に育てる」と教えてくれた神連氏自身がとても素直な人だった。なにごとにも敬意があり、感動の気持ちを相手や誰かに伝えてくれる。
知識にとらわれず自分の心が感じることを大切にしながら、どうすれば収量が上がるかよりも、どうすれば生育がスムーズなのか?「ああかな?こうかな?」と試行錯誤をくり返し、自分なりの方法を見つけていた。その姿勢に結果も自然についてくる。

そして、彼のそばにはピーマン部会のメンバー、県や農協の関係者、学びにくる研修生、農作業を手伝う高校生たちなど、地域の様々な人とのつながりがあった。
新しい人や取り組みを軽やかに受け入れて、先輩に学び、生徒に学ぶ。もっと知りたいという好奇心で、探求している今を面白がり、みんなで楽しもうとする。気さくで真っ直ぐな彼の前ではみんな心を開いて、安心して居られるのではないだろうか。
だからこそ新しいことや出会いが自然と生まれ、植物ものびのび成長することができる。私たちは誰かの言葉に耳を傾け、会話をすることで共に向上していくことができる、楽しくやっていく方法があるんだと、希望を感じることができた1日だった。

きっとどのようなことも、一生かけても学びきることはない。彼の言うように「ずっと勉強」。そのプロセスが人生そのものなのかもしれない。

神連氏のようにいつも学ぶことを求め、受け取れる素直さを持っていたい。

佐藤 拓郎

神連 克之Katuyuki Jinren

1959年生まれ。農業の専門学校を卒業後20歳で就農、夏秋ピーマンをメインに米・白ネギを栽培している。長年、有機栽培に興味があり、各地への視察や新たな取り組みも導入しながら農作物づくりを探究し続けており、近年は仲間と共にGAP(農業生産工程管理)を導入。今後は無農薬栽培を目指している。
玖珠町ピーマン部会の部会長や県の農業指導指導士など、地域の農業指導者としての役割も担う。
大分県玖珠郡玖珠町
夏秋ピーマン、米、白ネギ

筆者のプロフィール

cotonoah
cotonoah
デザイン、webディレクション、ライティングなどをしています。
大成農材株式会社との出会いをきっかけに農業や有機肥料の素晴らしさ、食の大切さに触れ、伝える方法を模索中。

あとがき

神連さんとはこれまで何度かお会いしてますが、常に栽培へ実直に向き合いながら、人一倍探究心を持ち学び続けており、また地域の農業指導者としての役割も担い、若者にその経験を包み隠さず教える姿勢がとても素敵だと感じています。

取材の時に農業について話す時の表情、作業をする雰囲気、いつも笑顔があふれていて、人を幸せにする、仲間を大切にする人柄に、私も多くの学びを頂きました。

神連さんありがとうございました。

大成農材株式会社 代表取締役社長 杉浦 朗