#2肥料と品種の関係

資材選びの重要性
肥料が活きる品種選び

クセがなく、甘みや旨み、フレッシュさを感じる田代氏の野菜。
そのために品種選びと共にこだわっているのが肥料だ。

「美味しくなるっていう資材は一回は必ず試してみるんです。高くても使いますよ。」

就農当時、肥料は有機肥料(汚泥肥料)と化成肥料をミックスして使っていた田代氏が、魚を原料にした有機肥料「バイオノ有機s」を使い始めたのは4年前のこと。
この肥料に切り替え、化成肥料を使用するのをやめた。

枝豆は肥料による差が出やすく、肥料を変えた一年目で糖度がかなり上がり次の年も良かった。現在は同原料の液肥を導入し、ブランド化を目指した栽培に取り組んでいる。

「使い始めてすぐ変化を感じました。自分が食べても分かりましたけど お客さんの反応も全然違いましたね。売れ方が違うんですよ。鮮度に関しても、収穫したらすぐ落ちていくものですが、肥料を良いものに変えることによって、食べた時の深みや香りの出方だったり、旨みが長い期間持つ。
買ってくれた人にはなるべく早く消費してほしいですけど、スーパーさんだったりが売り切るまでには3日くらいかかっちゃうので。その時もやっぱり美味しいものを食べてほしい。そういう気持ちもあって良い有機肥料を使ってます。」

「バイオノ有機s」は、原料の主成分である魚エキスの天然アミノ酸の効果により、えぐみが少なく香りと旨み・甘みが豊富な農作物づくりに向いていると共に、色つや・鮮度の持続性の向上も期待できる。

「肥料を安定して使ってきて、最近その効果が出てきてるなってすごく感じますね。
あとの嫌な甘みが残りにくいんです。味が濃くて美味しいのにすっきりしてる、キレがいいというか。トウモロコシだと、いつもなら1本食べると重いのに、もっと食べたいって思う野菜になる。

人が驚く食べ物、例えば寒い時期は一般的にえぐみが強いほうれん草をえぐみがないようにつくる。かつ栽培しやすくて美味しい。それはなかなか難しいところなんですけど、野菜と肥料の相性もあると思うんですよ。
それを見るために、自分が食べたいものだったり、栽培しやすいものを色々品種を変えて、実験的につくってます。」

肥料と品種の掛け合わせによって、一見両立することが難しいと思われることが実現できる。田代氏はその可能性を信じて模索を続けている。